認定されるとこのバッジをつけることができます。

また、認定キャリア構成カウンセラーと名乗ることができます。

〈認定キャリア構成カウンセラー〉の名称とコンテンツ特許申請受理されました。

 認定キャリア構成カウンセラーは、一般社団法人が認定する資格です。この資格保持者ができることは以下です。

1.キャリア構成面接(CCI)を行い、クライエントのキャリア構成支援をする。

2.この資格は、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格です。

 この資格は、5年毎に更新することができます。

 

 

 

認定キャリア構成カウンセラー再認定規定

 

1.      認定CCIカウンセラーは一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所倫理規定を遵守すること。

2.      認定CCIカウンセラーは、5年度に更新審査を受けること。更新に必要な研修は以下

   研究所の定期研究会に少なくとも5回参加すること。

   あるいは、研究所学術大会で発表、あるいはシンポジウム企画あるいは参加。

   定期学術研究会で発表

   研究所ワークショップのアシスタントあるいは、ワークショップに参加があること。

   研究所主催のワークショップと同等な他学会や組織のワークショップに参加あるいは開催経験があること。

以上の2つ以上の領域で継続研修したと証明できること。

 

3.      認定CCIカウンセラーとして登録されたホームページ等で資格保持者として掲載を希望する場合は申し込んでください。

 

認定キャリア構成カウンセラーになる方法

 現在は、研修生として1年間研修をして、研究発表をすることが条件になります。

 検定試験で認定される方法は、後ほど発表します。

 

 

 

〈認定キャリア構成カウンセラー〉の名称とコンテンツ特許申請受理されました。

 認定キャリア構成カウンセラーは、一般社団法人が認定する資格です。この資格保持者ができることは以下です。

1.キャリア構成面接(CCI)を行い、クライエントのキャリア構成支援をする。

2.この資格は、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格です。

 この資格は、5年毎に更新することができます。

 

 

 

認定キャリア構成カウンセラー再認定規定

 

1.      認定CCIカウンセラーは一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所倫理規定を遵守すること。

2.      認定CCIカウンセラーは、5年度に更新審査を受けること。更新に必要な研修は以下

   研究所の定期研究会に少なくとも5回参加すること。

   あるいは、研究所学術大会で発表、あるいはシンポジウム企画あるいは参加。

   定期学術研究会で発表

   研究所ワークショップのアシスタントあるいは、ワークショップに参加があること。

   研究所主催のワークショップと同等な他学会や組織のワークショップに参加あるいは開催経験があること。

以上の2つ以上の領域で継続研修したと証明できること。

 

3.      認定CCIカウンセラーとして登録されたホームページ等で資格保持者として掲載を希望する場合は申し込んでください。

 

認定キャリア構成カウンセラーになる方法

 現在は、研修生として1年間研修をして、研究発表をすることが条件になります。

 検定試験で認定される方法は、後ほど発表します。

 

 

 

〈認定キャリア構成カウンセラー〉の名称とコンテンツ特許申請受理されました。

 認定キャリア構成カウンセラーは、一般社団法人が認定する資格です。この資格保持者ができることは以下です。

1.キャリア構成面接(CCI)を行い、クライエントのキャリア構成支援をする。

2.この資格は、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格です。

 この資格は、5年毎に更新することができます。

 

 

 

認定キャリア構成カウンセラー再認定規定

 

1.      認定CCIカウンセラーは一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所倫理規定を遵守すること。

2.      認定CCIカウンセラーは、5年度に更新審査を受けること。更新に必要な研修は以下

   研究所の定期研究会に少なくとも5回参加すること。

   あるいは、研究所学術大会で発表、あるいはシンポジウム企画あるいは参加。

   定期学術研究会で発表

   研究所ワークショップのアシスタントあるいは、ワークショップに参加があること。

   研究所主催のワークショップと同等な他学会や組織のワークショップに参加あるいは開催経験があること。

以上の2つ以上の領域で継続研修したと証明できること。

 

3.      認定CCIカウンセラーとして登録されたホームページ等で資格保持者として掲載を希望する場合は申し込んでください。

 

認定キャリア構成カウンセラーになる方法

 現在は、研修生として1年間研修をして、研究発表をすることが条件になります。

 検定試験で認定される方法は、後ほど発表します。

 

 

 

 認定キャリア構成カウンセラー(certified career construction counselor)という資格は、一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所(JILD)が名称の特許と活動内容の特許を得ている資格です。JILD は、この資格を得ると以下の業務が実施できる能力があると認定するものです。

1. 認定キャリア構成カウンセラー(CCI カウンセラー)は、キャリア構成面接(Career Construction Interview)を実施できる基本的能力を有すると認定します。

2. 認定キャリア構成カウンセラーは、基本的なキャリア構成カウンセリングを実施できるだけでなくて、エビデンスに基盤のあるキャリアカウンセリングの実践をする能力があると認定します。

認定キャリア構成カウンセラーは、CCI(キャリア構成面接)を実施する基本的な能力とスキルがあると認定された上に、面接で何がきているかを観察する力、それを言葉にして記述する力、さらに観察したことを統合する力、統合したことを振り返り洞察を得る力を有しています。このように慎重にエビデンスを確認するプロセスにより、リアリティを知るようにします。キャリア構成カウンセラーは、「How do I know what I know(自分が知っている

ことは、どのようにして知ったんだろう)」という問をいつもします。クライエントとカウンセラーの協働する CCI は、カウンセラーの理解とクライエントの自己理解を、慎重にすり合わせて、理解を共有します。カウンセラーは、クライエントの存在する場所に入って理解を進めます。クライエントもカウンセラーの世界に入ることがあります。クライエントの世界、カウンセラーの世界、そしてそれらを超えるメタ理解を得ます。メタ理解を得ると、

「いったい何が起きているのか」を多方面から知ることができます。

 

 認定キャリア構成カウンセラー(certified career construction counselor)の資格を得るには、国家資格キャリアコンサルタントであることに加えて一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所の研修生に応募して1年間の研修を受ける必要があります。そして、卒業時に研究発表をすることが資格を得る要件になります。

研修生になると以下のカリキュラムを基盤にした講義を受けます。このハンドブックは、研修生のカリキュラムを詳細に説明したものです。ハンドブックの構成は以下です。

第1章では、キャリア構成面接を実施できるようになる基本的な知識とスキルを獲得するための12回講義を概括します。

2 章で、エビィデンスを基盤に考える方法を学びます。カウンセリングは主体的に学ぶ学問です。過去の知識を教えてもらう受け身学習だけでなくて、積極的に、主体的に学ぶ基本的な方法を学びます。

第3章では、キャリア構成理論による人間の発達について学びます。CCI はキャリア構成カウンセリングの実践を基盤したアプローチです。CCT はキャリア構成理論です。キャリアはどのように発達するかを説明します。

第4章では、キャリア構成カウンセリングが必要な理由を知ることができます。21世紀は特殊な世紀です。20世紀は客観的な知識と分析力が重要でした。21世紀は、主観的な自己と計画して実行するデザインする意識が必要です。

第5章では、CCI 研修によって養われるカウンセリング力について説明をします。CCI 研修によって、人間の個人差を理解して、人間の複雑性を理解できるようになります。

第6章では、人間カウンセラーとクライエントのコラボのメカニズムを説明します。カウンセリングはクライエントとカウンセラーがコラボして、クライエントの未来を構成することが目的になります。

第7章では、スーパービジョンを受ける意味につて説明します。研修生は、合計10回の個人スーパービジョンを受けることができます。カウンセラーとして成長するには、SVを受けることが必須になります。

第8章は、研究所の諸規定について説明します。倫理規定や更新のための規則を説明します。研究所では、オンラインでの研修やカウンセリングを基本していますので、教育方法の特殊性を理解する必要があります。

9 章は、JILD 研究所からの出版物やワークショップの紹介をします。研究所は、紙による出版だけではなくて、amazonkindle 出版された電子書籍を備えています。

 

 キャリア構成面接は、マーク・L・サビカス博士により提唱されたキャリアカウンセリングのアプローチです。20世紀のキャリアガイダンスは、レデイネス教育が重要でした。ところが、21世紀ではキャリアカウンセリングを実施することで、クラエントは流動的な社会の中で、自分のライフテーマを羅針盤として進むべき方向をナビゲートする支援を得ることが必要です。詳しくは、本書を読み進めることで理解できるでしょう。

                  

 

 

第1章 キャリア構成面接についての講義

 CCI(キャリア構成面接)の内容

 

本章では、認定キャリア構成カウンセラーになるためのカリキュラムを説明します。講義の内容は、サビカス博士の CCI の質問の順番で実施されます。

 

1回目講義 問「私(カウンセラー)は、どのようなお役に立てますか」

カウンセリングは普通、傾聴(listen to)という表現を使いクライエント理解を促進します。傾聴は英語の listen to を普通意味します。この傾聴は、耳に入ってくる情報のすべてに注意して受け止めるという意味です。キャリア構成面接では、聞き取る(listen for)という表現を用います。この意味は、 特徴ある言い回し、何回も繰り返す表現、意味が強い表現、リズムや語調が特別な表現、特別な意味がある語彙、などに注意して聞き取りことを意味します。従って、listen to は向こうから来る情報を受け止めます、

listen for は、アクティブに必要な特定な情報を聞き取るという方法で、意味のある情報を意図的に取り出すという意味です。  クライエントの訴えている課題には、クライエントのライフテーマ、ストーリーのプロット(筋立て)が見え隠れしているものです。クライエントによっては、課題が明確になっていない場合もあります。明確でない場合は、明確化というスキルが必要になります。

また、クライエントによっては、それぞれ課題が異なります。課題はクライエントによって異なります。以下に注意してください。

      課題が何かに気が付いていない段階=>課題に気付くようにカウンセリングする。

      なんとなく課題があることに気が付いている段階=>課題の明確化をする。

      課題に取り組み始めている段階=>アクションプランを作成して行動を起こす。

      課題に取り組んでいて、解決する努力が必要な段階=>行動維持、あるいは強化。

      継続して努力する段階=>マネジメント、さらに行動な課題へ向かう。

 

 現在の課題は、その人のライフテーマと関連しています。ライフテーマは、子どもの頃の課題が、成人しても課題として残ります。クライエントのライフテーマは、カウンセリング中に何回も表現されますので、冒頭の質問は、あまりに探求する必要はありません。

 

2 回目講義 問「子どものころに大好きで憧れた人について話してください」。

人生ストーリーに大きな影響があるのが、主人公のパーソナリティです。例えば、主人公が慎重に行動する人の場合は、人生ストーリーの展開も安全で慎重なものになります。また、大胆でリスクを厭わないパーソナリティの場合は、冒険ストーリーになるでしょう。

 主人公は、幼年時代からやがて青年となり壮年に達します。パーソナリティは2面性があります。ある人は「私は、子どものころから変化していません」と、またある人は「多くの経験を経て、成長しました」というでしょう。しかし、ほとんどの人が「すべて大きく変化しましたが、子どものころから何も変化していないこともあります」と答えます。例えば、『ハリーポッター』は全部で8本の映画がありますが、そのすべてにハリーがいます。ハリーは、すべてのストーリーで友情に厚く、真実を追求し、粘り強く運命に向き合います。ハリーのパーソナリティがストーリーの展開に大きな役割があります。

 サビカスのキャリア構成カウンセリングでは、各自があこがれのキャラクターから取り込んだ資質をパーソナリティに同化していると想定します。あこがれのパーソナリティは、それぞれの文化で生まれたヒーロー、ヒロイン、ロールモデルです。あこがれの人は、あなたの課題を解決することができます。あなたは憧れの特質を意図的に取り込み、成長の中でその特質をリハーサルして自分に取り込んできました。

 カウンセラーは、クライエントのパーソナリティの強みが生き生きと活動できるように表現する手伝いをします。

 

3回目講義 問「あなたは日ごろどのような興味関心を行動として示していますか」

この講義の要点は、クライエントの活動する人生舞台を設定することです。舞台には、舞台装置があります。また、舞台の上では、あなたの周辺にどのような人にいて欲しいでしょう。それらの人達とどんな活動をしているでしょうか、周りの人たちがどのような活動をしているのを好みますか。

 これらの好きな舞台や好きな環境や人物は、ホランド(Holand)の職業テストを受けて、その得点プロファイルから判断することができます。テストによって分かることが、面接で次の質問をすることで、行動としてどのような顕れ方をしているかを知ることができます。

「どのような TV 番組、雑誌記事などを見たり読んだりしていますか」と問うことで、現在、顕現している行動で興味ある職業活動を知ることができます。客観的なテスト得点は、理知的な判断を伴い、あるべき姿として語られることがあります。ところが、現在している行動は、率直にその人の適性を表しています。

現実的(realistic)な人は、物、道具や機械、動物などを対象として、明確で秩序ある活動が特徴です。機械、農業、電機、技術の分野で必要なコンピテンシーを発達させます。

研究的(investigative)な人は、実証的、抽象的、体系的および創造的な活動を好みます。説得的、社会的活動を好まない傾向もあります。科学的、実証的、抽象的、創造的な傾向があります。研究的な傾向を持つ人とは付き合う傾向がありますが、興味・信念・価値観が異なる人を避ける傾向があります。

 芸術的(artistic)タイプの人は、あいまいで、自由で、体系化されていない職業を好む傾向があります。オープンな考えを持ち、感情、アイデア、他人に対してオープンです。芸術的職業や場面(作家、インテリアデザイナーなど)に向いています。

社会的(social)タイプの人は、人を助けることを好む。教える能力や社会的スキルがる。他者を教えたり援助したりすることで喜びを感じる。他者に影

響を与えるようなこと、情報伝達、訓練や教育、治療や啓蒙活動などを好む。

企業的(Enterprise)タイプは、組織目標の達成や経済的な目標を達成するための交渉などを好む。リーダーシップ、対人関係、説得力を伴う活動に興味を示す。公の活動で影響を与えることを好み、身なりにも気を遣う。

慣習的(Conventional)タイプは、資料を系統的、秩序的、体系的に扱い仕事を好む。フィリング、ビジネス機器、データプロセシングを好む。ビジネスや経済的上の業績に価値を置く。体制順応的、秩序を重視する。書記的、数値的能力が高い。

 

それぞれのタイプは、日常の行動パターンとして顕現します。特に好むテレビ番組や好む情報(雑誌などの読み物)から行動パターンが読み取れます。

 

4回目講義 問「あなたが大切にしている格言や金言は何でしょうか」

クライエントにとって自分に与える最高のアドバイスは、自分を支える格言や金言です。 

この講義では、転機に直面している自分に与える最高のアドバイスは何かを探求する質問について学びます。誰にでも、子どものころから何回も自分に言い聞かせてきた言い回しや格言があるでしょう。格言は、自然治癒や、自然療法となってクライエントを今まで支えてきた言葉です。ところが、クライエントによっては以下の課題があるでしょう。

自分を支えてきた言葉とは、必ずしも自覚していない場合もある。どうしても見からない場合は、その場で考えてもらうことができる。格言などのようにきちんと表現されていない場合もある。文章になっている場合も、単なる単語である場合もある。格言の意味によっては、その人を制限していることもある。例「決してあきらめない」。あきらめないことで、柔軟な転換ができない。親やその他の人から与えられた格言の場合は、それがどのような意味があるかを質問します。

 

カウンセラーは、クライエントが好きな格言を繰り返し伝えることで、その意味を強化します。その理由は、クライエントの好きな格言は、クライエントを支えてきた資源だからです。

 

5回目講義 「現在、好きなストーリー、どこが好きですか」

 この講義での課題は、クライエントに映画、ドラマ、本などで好きなストーリーについて語ってもらいます。現在好きなストーリーは、クライエントの未来のストーリーを映すレンズです。 好きなストーリーは、未来の自己予言でもあります。ストーリーの例

「海辺での家」 。余命 4 カ月と宣告された父親が住んでいる海辺の家を建て直す 映画。離婚して元妻の下で育った 16 歳の息子がそれを手伝った。父の死の直 前にふたりは親子の絆を回復する。 

「山月記」。主人公は、才能があっても社会に認められることなく、傷つい てしまうことを怖れて、恥を感じないような野獣である虎に変身し人間の心を 失いつつあった。しかし、主人公の心には、人を思いやる気持ちが残ってい る。まわりの人への思いやりと社会貢献をしたいという思いがある。 

「精霊の守り人」命を助ける物語、信念をもって困難に対処する。何が善で何が悪かよくわからない世界で、自分が正しいと思うことを、意志を曲げずに つらぬく。 

 

主観的に生きる人間

キャリアカウンセリングは、主観的に生きている人間の内側に働きかける必要があります。人生とは、人生のさまざまな役割に意味を見いだすことです。ストーリーによるカウンセリングは、ライフテーマに光を当てて、クライアントがストーリーを語るにつれて、社会相互作用を通じて、そしてクライアントが自分たちの物語を話すにつれて、より現実になり、クライアントが自分自身について知っていることを具体化する(Savickas2011)できます。

 

6回目講義 問「幼児期のエピソードを3つ教えてください」

クライエントに幼児期(38 歳ごろ)の思い出(エピソード)について3つ話してもらいます。その後、その話が翌日新聞に掲載された場合の表題をつけてもらいます。あるいは、その思い出をスナップ写真にした場合にどの表題をつけますか、などと質問します。

幼児期の思い出について3つエピソードを話してもらいます。カウンセラーは、エピソードの話しに余りにも夢中になると、もっとエピソードの詳細が知りたくなります。注意してもらいたいのは、エピソードの詳細を語ることがこの質問の目的ではありません。知りたいことは、話したエピソードからどのような意味を汲み取ったです。それで、エピソードに表題をつけてもらいます。そして、表題を3つ並べて、その意味を考えてみます。

この3つの表題は、個人のライフテーマを象徴しています。ライフテーマは、子どものころから受苦している課題が基盤となって構成されている。だれにでも「同じ苦い思い何回も経験します」「この体験だけは繰り返したくない」などと幾度も枕を涙で濡らす経験があるだろう。このような受苦していることを乗り越え得て、成功体験に転換することが人生の課題である。

                 ライフテーマは、現在の自分にズレを感じ、混乱しているときに表面化します。自己をどのように構成してきたかを語りながら、忘れていたこと、取りこぼしていたこと、分離されていた経験に気が付くものです。自分の人生が一貫するまとまったものとして理解できると、人生やキャリアを未来に延長して理解することが可能になる。ライフテーマは、子どもころから何回も繰り返す似たようなライフイベントです。多くは、何もすることができなくて耐えるだけか、受動的に受け止めるだけです。ライフテーマは、そのような繰り返すイベントの意味を知り、その意味をポジティブ転換して意図に変えて、積極的に習得する課題に変化させることです。

ポジティブ転換したことが仕事になります。例えば、

恐れー>勇気ある仕事(消防士、警察官、自衛官など)孤独ー>人間関係の仕事(支援、人との関係)表現できないー>表現する仕事(役者、芸術活動)不自由ー>自由な仕事(企業家、自由業など)不器用ー>手を使う仕事(ものを制作や製造する仕事)

無知ー>知りたい(探求する仕事)

になります。詳細は講義で理解してください。ここでは、概要のみ伝えます。

 

7回目講義 ポジティブ転換

捉われの否定的な意味は、文字通りにある種の思い込みに捉われて人生に制限やマイナスの影響を与えることです。ところが、この捉われを修得する (master)、つまり自分のものにする、学んで乗り越える、使いこなす、などができるようになると、気になる事の視点をポジティブな意味に転換することができます。今まで、何度も繰り返し経験した「辛い、嫌な、無力さ」が何であるかを知ることで、自分のものにすることができます。受動的に苦しんでいたことを積極的に修得することで、苦しみを力に転換でるのです。いくつか例を挙げましょう。

例1 子どもの時に怖れていた「いわれのない攻撃」に対して怖がることから、勇気ももって対処するに転換。

例2 子どもころ閉じ込められた、厳しく行動を制限された嫌な経験から、制限されることから自由に行動できる行動力に転換する。

例3 いじめられて虐待されていた子どもから、努力して人生の勝利者になる。

これらの無意識に何もするすべがなく、ただ苦しむだけの経験を、あなたの

人生を意図的に、肯定的に変換することで、生きる糧にすることができます。

サビカス先生は、ポジティブ転換を「犠牲者から勝利者へ(from victim to victor)」と表現しています。

 

ポジティブ転換する目的

人生の意味を作文することで構成する。意図的に人生を生きる。ポジティブ転換することで、より幸せになり、より成功する。流動的な社会でも、十分に適応性を発揮する。自分、相手、社会にとってもポジティブな結果を生じる。仕事をすることが大切という意識を強める。

 

ポジティブ転換作業

ライフテーマの意味をポジティブ転換する作業を加える必要があります。

この作業は、経験の深いカウンセラーと共にすると効果が高いです。

参考のために一般的な実例を記載します。

実例1 「嫌なことから逃げること」。これをポジティブに転換すると「探求すること」に転換します。

実例2 「犠牲になること」。これをポジティブ転換すると、ないものを犠牲にすることはできないので、努力して何か特技を身に着ける。

実例3 「無言で耐えること」。これをポジティブ転換すると、表現力を身に着けて、人生の深みを言葉にして伝えるに転換する。

実例4 「惨い社会に復讐する」。惨いことが起きないように、社会の犠牲者を保護する、エンパワーするに転換する。

 

ライフポートレートで、あなたは幼少期から現在まで変わらないところはどこですか? 変わったところがあるとすると、それはどこでしょうか?

1. 自分の人生を意図的に生きるには、自分の人生を自分のものとして引き受ける勇気が必要です。自分の人生を引き受けるには、より明確に自分の人生を理解するほうが、引き受けることが可能になるでしょう。生きる意味は、山の登り口や山頂に達するためには、いろいろなルートあるので、どのルート選ぶかのような選択に幅があります。どの意図でも行先は、人生の完結です。

2. ここで、自分の人生を引き受けるという意味を考えてみましょう。フランクル(Viktor Emil Frankl1905-1997)は、どの人生も一回きりなので、同じ意志決定の瞬間はめぐってこないと言っています。今のこの瞬間にどのように生きるかは、自由に決められるとも言っています。

 

ライフテーマが自分の人生に与える影響を考える

 ライフテーマは、言葉にして意識化することが必要です。ライフテーマに名前を付けて、客観的に眺めてみましょう。ライフテーマを意識して、それと意図的に取り組みために、ライフテーマに適切なレベルを貼ります。このように課題を自分の外に出して客観的に観察してみましょう。

問1 「このライフテーマは、あなたの健康にどのような影響を与えますか?」

問2 「このライフテーマは、あなたの人間関係にどのような影響を与えますか?」

問3 「このライフテーマは、あなたの気持にどのような影響を与えますか?」

問4 「このライフテーマは、あなたの職業生活にどのような影響を与えますか?」

 

これらの問によって、ライフテーマが人生全般に与えている影響に気が付きます。

 

 

8回目講義 観客や証人の役割

 

 カウンセラーは、クライエントの人生の証人としての役割を果たします。承認としての役割は、まずクライエントの豊かなストーリーを聴くという役割を果します。

 次に、カウンセラーはクライエントの語るストーリーを語り直します。語り直しというと過ちを修正するという意味にとる人もいますが、この場合は、カウンセラーが自分の言葉で表現することを意味します。語り直しは、カウンセリングのスキルでは「言い換え」とかリフレクションと呼ばれている応答と同じスキルになります。この場合は、必ずしも言葉にしなくても、非言語的にうなずく、前のめりになり、共感するなどの身体表現も含まれます。

 カウンセラーは、決して押し付けるような説得口調で話しません。カウンセラーは、クライエントの語りに惹かれる気持や理由を簡単に語ります。これは、意見を述べることと違います。アドバイスしたり、判断を下したり、理論化することではありません。

 

カウンセラーは、クライエントを無能者、失敗者と判定する人ではありません。注意深く、クライエントの語りを聴く人になります。そして、人生における好ましい展開を証人する人であり、クライエントの好ましいストーリーが持続する貢献をする人になります。

 クライエントの語りは、自分の個人物語です。置かれている環境の中での語りです。クライエントの個人物語は、カウンセラーが聴くことで、回りの人には見えないストーリーが見えるものになります。

マイケル・ホワイトによると、カウンセラーがしてはいけないことは以下です。

1.道徳的な判断をすること。

2.他者の人生を文化的規範に照らして判断すること。

3.他者の人生を解釈して仮説を立てること。

4.介入すること。5.力や資源に焦点を当てること(語り手の経験に直接触れることがなく、客観的に語り手を評価することになる)。

6.祝福すること(判断にすることになる)

 

 

9回目講義 ライフポートレートの作成

 次にすることは、クライエント語りを自伝物語として構成する作業です。これまでにクライエントは、たくさんのエピソードを語りました。これらはマイクロストーリーと呼ばれて、それぞれが重要な意味のあるストーリーです。ところが、多くのマイクロストーリーは、お互いに関連性がなく、すべての語りに一貫する大きな意味が見えていません。一貫する自伝的な語りには、一貫する意味が含まれています。マクロストーリーになると、それぞれのマイクロストーリーが「自己の人生を語る」ストーリーとして統合されていきます。面接での語りを一貫するストーリーに編集することを「ライフポートレート」を構成するといいます。

 ライフポートレートは、A4版くらいの紙1枚にまとめあげられた簡潔で力強い伝記にまとめあげられます。

 このライフポートレートを作成する際に注意することがあります。

・プロット(筋立て)があること。ストーリーの流れに因果関係があるもの。

・整合性と一貫性がある。

・重要なテーマが強められている。・クライエントのキャラクターの展開が生き生きと描かれていること。

・ネガティブでなく、肯定的に表現されていること。

・価値判断や分析でなないこと。クライエントの言葉を骨組みにしている。

・簡潔であること。

 

ライフポートレートは、クライエントの語りと同じものであることが求めれられます。カウンセラーが勝手に解釈して作文したものではありません。クライエントの語りを簡潔にまとめた作文です。生き生きとしたストーリーで、クライエント強みが活動する、簡潔で、短い言葉と現在形の動詞が含まれています。動詞は、動く、進む、闘う、留まるなどと、パーソナリティの特徴を表現します。

ライフポートレートは、冒頭の質問でのクライエント現在の課題を解決できるものにします。クライエントのアイデンティティ、社会的役割の中の自己が主体的に行動する人として語ることができます。注意することは、主体的に行動する人間として描くこと。生き生きとしたテーマとキャラクターアークを強調すること。人生そのものに語らせる工夫をする。新しい視点があること。内的に一貫していること。ライフテーマが全体の文節を統合して、一つのまとまりのあるライフポートレートが作成できる。

人生の意味やテーマが浮き出すと、クライエントの人生に尊厳と価値が吹き込まれて、大きな力をクライエント人生に吹き込みます。内的な一貫性、初めから終わりまで似た言葉を使い、文をとぎれなく一貫してつながりにします。

 

 

10回目講義 ソシオダイナミックカウンセリング

 

バンス・ピービV. Peavey)は、彼のアプローチを「一緒に、仲間、そしてあるいは社会」という意味で〈ソシオ(socio)〉と呼び、部分間の美的な

バランス、連続的な変化及び動きを意味するギリシャ語の〈ダイナミコ

(dynamiko)〉を使ってソシオダイナミックアプローチ(SocioDynamic

Approach)と名付けました。〈ソシオダイナミック〉は、社会的存在として絶えず変化する人間を結晶化させます。「私たちの最善の状態は、全体的に美的で均衡がとれています。良い生き方は詩や踊りのようなアートの仕事です」(Peavy, 1997b, p.8)。

ソシオダイナミックなキャリアカウンセリングは社会構成主義的なカウンセリングアプロチです。次の述べる4つのテーマは社会構成主義的なアプローチのテーマです。

第1のテーマは、キャリアカウンセリングに共通する仕事の世界と個人の関係性に対する視点です。

第2のテーマに含まれるのは、カウンセリングプロセス内で起きる人間の相互作用の組み立て方によって、仕事との関係をより満足するものにできるという考え方です。

第3は、カウンセリングプロセスを協働で推進するために、クライエント

とカウンセラーが取るべきスタンスと役割について提言をしていることです。

第4は、最初の3つのテーマを支持するカウンセリングの組み立についてのヒントが詳細に論じられていることです。カウンセリングプロセスは、カウンセラーとクライエントが一緒に旅に出かけるようなものです。そのプロセスは、共通の土台を作ることと、「一緒にいる」と感じることから始まり、カウンセラーがここに存在すると感じることでクライエントが元気になり、対話へと進みます。この〈私だけの時間〉という感覚があると、クライエントは自分の個人的なストーリーを伝え、カウンセラーはクライエントの人生理解を促進する役割を果たします。カウンセリングプロセスは、計画すること、変革すること、実行することが可能である現実の創造、取るべき次のステップの決定に続き、そして「協働行動の達成」につながります(Peavy,2004, p.52)。これらの成果としては、新たな視点や新しい解決、選択肢の拡大、新たな考察とクリティカル思考、強化された自己アイデンティティ、明確な生活体験、プロジェクト構成能力の向上、再構成された人間関係、自分で作るサポート、自己対環境との交互作用の明確化などがあげられます。

一般的なソシオダイナミックカウンセリングは、戦略として、カウンセリングプロセスのフレームワークを提供します。それは、カウンセラーとクライエントの間の継続的で〈リフレクティブな対話型〉のフィードバックプロセスと理解できます。どのカウンセリングプロセスにおいても、カウンセラーとクライエントには「共同して使える資源」がいくつかあります(Peavy,

2004, p.52)。行動資源に含まれるものには、クライエントが試みた解決、経験していることに対するクライエントの内省、状況の制限と機会に関する知識、問題解決モデルなどがあります。

共同資源に基づいて、カウンセラーとクライエントは「共同の対話による合意形成プロセス」(Peavy, 2004, p.52)を開始します。この協働によって構成されるカウンセリングプロセスは、規範的なフェーズに従うのではなくて、新たに生まれてくるものです。このプロセスは、クライエントの過去と未来とを仲介する役割を担います。

 

対話的傾聴 

ソシオダイナミックアプローチでは、「対話的傾聴」(Peavy, 2004,

p.54)を通して、クライエントの話に対して真正の傾聴をすることを重視します。カウンセラーの傾聴スキルを高めることは、このアプローチにとって、カウンセリング手法の根本となるパラダイムに関連します。ピービは対話的傾聴を説明するために、その中核的な要素である〈心の平安〉と〈調和のとれた関係〉という概念を詳細に論じています。

 

 

内面的平安

内面的平安は、カウンセラーが純粋な態度でその場に存在してクライエントと対面している心の状態です。内面的平安は、受容的、静的、集中してい

て、尊重する態度で、忍耐強く、自己を空にし、自分の気分を認知してい

て、感謝する、ことを含んでいます(Peavy, 2004)。内面的平安は容易には実現できません。それは、意識的な練習を必要として、「精神的で心理的な状態」です。ピービは、内面的平安を促進するための 15 ページの目録を作成して中核となる要素を発表しました(Peavy, 2004, pp.55-70)。

 

真正に聴く

最初にカウンセラーは、関係を作るために聴き、関係が形成できた後でのみ、クライエントの問題を理解し発言することができます。問題解決への道筋は、注意深く聴くことによって、クライエントとの関係を作ることで、拓かれていきます。カウンセラーとクライエントとの間の良好な調和のとれた関係によって、カウンセラーは「内面的な冷静さ、集中力、ケア、責任」をもった「人間としての顔」を示すことができます(Peavy, 2004, p.72)。

 

対話的傾聴の実践

•           カウンセリングで難しいと思うことは何ですか?(a)カウンセラー

A5 分間話す、カウンセラーB が話を聴きます。その際、「無知の姿勢(Not Knowing)」によって、コメントせずに「言葉の背後にある意味」に気を配ります。(b)カウンセラーB はカウンセラーA に、どのように話を理解したかを伝え、それについてカウンセラーにコメントします。(c)カウンセラーの役割を交代します。そして(d)カウンセラーは各役割を通じてどうだったかについて話し合います。

ライフスペースマッピング

ソシオダイナミックカウンセリングの練習のための第2の基本概念は、ライフスペースです。ライフスペースは個人が生活している心理的そして社会的な空間の両方にあります。ライフスペースは、心の全体的な状態で、個人、社会、文化といった文脈の中での個人の存在ことでもあります。ピービ はこのようなカウンセリング経験を一般化するために、生活空間を4つの

意味論上の領域に分割しました。それらは、人間関係と親密性、仕事と学習、健康と身体、精神性(Peavy, 1997a, p.125)です。

ライフスペースマッピングの考え方は、クライエントの人生全体を可視化して、クライエントがその中で活動できるようにすることです。ソシオダイナミックカウンセラーは、描画、視覚化、様々な図表を主要なカウンセリングツールとして使います。グラフィックカウンセリングの方法には多くの形態とバリエーションがあり、カウンセラーはそれらを元にして、新たなものを創造することが奨励されています。ピービのライフスペースマッピングの使用方法(Peavy, 1997b で説明)では、用紙全体を現在のライフスペースと考えるようにクライエントに言います。まず、1枚の紙のどこかに「自己

self)」という小さな円を描くように指示します。次に、カウンセラーとクライエントが協力して、問題に関連していると思われていることで、クライエントの生活の中で起こっている全てを図の中に記入します。経験、出来事、関係者、関係、必要性、いろいろな声、可能性を、イメージや単語、色を使用してマッピングします。

 

 

11回目講義 ストーリーによるキャリアカウンセリング

 

アイデンティティは語りで構成されます(Savickas)。自伝語りでは、自分についての物語りを、社会、文脈の中での自己について語ります。いかに自己が変化したか、同時に同じであったかを語ります。自伝は、人生プロセスで起きたさまざまな変化に対する応答によって自分を構成するストーリーが語られます。アイデンティティは、選択と設計を自伝的語りに基礎を置いています。

内省するとは、問題からいったん外に出てながめて、人生に対する態度、価値観、考え方、複雑な役割の理解、他者との関係などを内省して改訂することです。自伝語りにより内省は次の3つのステップがあります。

1.ネガティブな台本からーーー>脱構成、あるいは本当の自己の生まれた意味に触れてーー>脱構成

2.自己の再構成

3.自己の共構成

物語アプローチプロセスは、動的な相互作用があります(Brott2017

年)。プロセスには、ストーリーを明らかにし(協働構成)、さまざまな視点からスペースを開く(脱構成)、

自分についての知識を次の章(再構成)へのガイドとする、および次の章

(構成)の作成がある。現場の職業を文脈に関連付け、学習し、楽しみ、働

き、価値付けして、人間関係を形成するという人生の役割のことである

Brott2005)。

 

12 回目講義 キャリアアダプタビリティ

キャリアアダプタビリティ資源は、次の4つの問で出来ています。

問1 「あなたは、あなたの未来にどんなこだわりを持っていますか?」

問2 「あなたは、自分の未来を自分自身の力で思い通りにできるでしょうか?」

問3 「あなたの未来が、どんな未来になるかと思うと、ワクワクしますか?」

問4 「あなたは、未来の人生をあなたらしく生きる自信がありますか?」キャリアアダプタビリティは次の4つの C から成り立ちます。

       concern(未来への関心)

       control(コントロール)

       curiosity(好奇心)

       confidence(自信)

これら4C を育てていくことは、不確実な現代を生きていく上で重要です。あなたの未来は、自分で予想したようになりそうですか?それとも、予想を超えるでしょうか。予想できない21世紀は、適切なキャリアアダプタビリティを自分のものにすることで、どんなに不安定な社会でも生き抜くことが可能になります。

 

C の注意事項

      キャリアアダプタビリティには個人差があります。人と比べて、高いとか、低いとかを気にする必要はありません。自分のキャリアアダプタビリティの特徴を理解することが大切です。低いところがあれば、その領域を伸ば 認定キャリア構成カウンセラー(certified career construction counselor)という資格は、一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所(JILD)が名称の特許と活動内容の特許を得ている資格です。JILD は、この資格を得ると以下の業務が実施できる能力があると認定するものです。

1. 認定キャリア構成カウンセラー(CCI カウンセラー)は、キャリア構成面接(Career Construction Interview)を実施できる基本的能力を有すると認定します。

2. 認定キャリア構成カウンセラーは、基本的なキャリア構成カウンセリングを実施できるだけでなくて、エビデンスに基盤のあるキャリアカウンセリングの実践をする能力があると認定します。

認定キャリア構成カウンセラーは、CCI(キャリア構成面接)を実施する基本的な能力とスキルがあると認定された上に、面接で何がきているかを観察する力、それを言葉にして記述する力、さらに観察したことを統合する力、統合したことを振り返り洞察を得る力を有しています。このように慎重にエビデンスを確認するプロセスにより、リアリティを知るようにします。キャリア構成カウンセラーは、「How do I know what I know(自分が知っている

ことは、どのようにして知ったんだろう)」という問をいつもします。クライエントとカウンセラーの協働する CCI は、カウンセラーの理解とクライエントの自己理解を、慎重にすり合わせて、理解を共有します。カウンセラーは、クライエントの存在する場所に入って理解を進めます。クライエントもカウンセラーの世界に入ることがあります。クライエントの世界、カウンセラーの世界、そしてそれらを超えるメタ理解を得ます。メタ理解を得ると、

「いったい何が起きているのか」を多方面から知ることができます。

 

 認定キャリア構成カウンセラー(certified career construction counselor)の資格を得るには、国家資格キャリアコンサルタントであることに加えて一般社団法人ライフデザインカウンセリング研究所の研修生に応募して1年間の研修を受ける必要があります。そして、卒業時に研究発表をすることが資格を得る要件になります。

研修生になると以下のカリキュラムを基盤にした講義を受けます。このハンドブックは、研修生のカリキュラムを詳細に説明したものです。ハンドブックの構成は以下です。

第1章では、キャリア構成面接を実施できるようになる基本的な知識とスキルを獲得するための12回講義を概括します。

2 章で、エビィデンスを基盤に考える方法を学びます。カウンセリングは主体的に学ぶ学問です。過去の知識を教えてもらう受け身学習だけでなくて、積極的に、主体的に学ぶ基本的な方法を学びます。

第3章では、キャリア構成理論による人間の発達について学びます。CCI はキャリア構成カウンセリングの実践を基盤したアプローチです。CCT はキャリア構成理論です。キャリアはどのように発達するかを説明します。

第4章では、キャリア構成カウンセリングが必要な理由を知ることができます。21世紀は特殊な世紀です。20世紀は客観的な知識と分析力が重要でした。21世紀は、主観的な自己と計画して実行するデザインする意識が必要です。

第5章では、CCI 研修によって養われるカウンセリング力について説明をします。CCI 研修によって、人間の個人差を理解して、人間の複雑性を理解できるようになります。

第6章では、人間カウンセラーとクライエントのコラボのメカニズムを説明します。カウンセリングはクライエントとカウンセラーがコラボして、クライエントの未来を構成することが目的になります。

第7章では、スーパービジョンを受ける意味につて説明します。研修生は、合計10回の個人スーパービジョンを受けることができます。カウンセラーとして成長するには、SVを受けることが必須になります。

第8章は、研究所の諸規定について説明します。倫理規定や更新のための規則を説明します。研究所では、オンラインでの研修やカウンセリングを基本していますので、教育方法の特殊性を理解する必要があります。

9 章は、JILD 研究所からの出版物やワークショップの紹介をします。研究所は、紙による出版だけではなくて、amazonkindle 出版された電子書籍を備えています。

 

 キャリア構成面接は、マーク・L・サビカス博士により提唱されたキャリアカウンセリングのアプローチです。20世紀のキャリアガイダンスは、レデイネス教育が重要でした。ところが、21世紀ではキャリアカウンセリングを実施することで、クラエントは流動的な社会の中で、自分のライフテーマを羅針盤として進むべき方向をナビゲートする支援を得ることが必要です。詳しくは、本書を読み進めることで理解できるでしょう。

                  

 

 

第1章 キャリア構成面接についての講義

 CCI(キャリア構成面接)の内容

 

本章では、認定キャリア構成カウンセラーになるためのカリキュラムを説明します。講義の内容は、サビカス博士の CCI の質問の順番で実施されます。

 

1回目講義 問「私(カウンセラー)は、どのようなお役に立てますか」

カウンセリングは普通、傾聴(listen to)という表現を使いクライエント理解を促進します。傾聴は英語の listen to を普通意味します。この傾聴は、耳に入ってくる情報のすべてに注意して受け止めるという意味です。キャリア構成面接では、聞き取る(listen for)という表現を用います。この意味は、 特徴ある言い回し、何回も繰り返す表現、意味が強い表現、リズムや語調が特別な表現、特別な意味がある語彙、などに注意して聞き取りことを意味します。従って、listen to は向こうから来る情報を受け止めます、

listen for は、アクティブに必要な特定な情報を聞き取るという方法で、意味のある情報を意図的に取り出すという意味です。  クライエントの訴えている課題には、クライエントのライフテーマ、ストーリーのプロット(筋立て)が見え隠れしているものです。クライエントによっては、課題が明確になっていない場合もあります。明確でない場合は、明確化というスキルが必要になります。

また、クライエントによっては、それぞれ課題が異なります。課題はクライエントによって異なります。以下に注意してください。

      課題が何かに気が付いていない段階=>課題に気付くようにカウンセリングする。

      なんとなく課題があることに気が付いている段階=>課題の明確化をする。

      課題に取り組み始めている段階=>アクションプランを作成して行動を起こす。

      課題に取り組んでいて、解決する努力が必要な段階=>行動維持、あるいは強化。

      継続して努力する段階=>マネジメント、さらに行動な課題へ向かう。

 

 現在の課題は、その人のライフテーマと関連しています。ライフテーマは、子どもの頃の課題が、成人しても課題として残ります。クライエントのライフテーマは、カウンセリング中に何回も表現されますので、冒頭の質問は、あまりに探求する必要はありません。

 

2 回目講義 問「子どものころに大好きで憧れた人について話してください」。

人生ストーリーに大きな影響があるのが、主人公のパーソナリティです。例えば、主人公が慎重に行動する人の場合は、人生ストーリーの展開も安全で慎重なものになります。また、大胆でリスクを厭わないパーソナリティの場合は、冒険ストーリーになるでしょう。

 主人公は、幼年時代からやがて青年となり壮年に達します。パーソナリティは2面性があります。ある人は「私は、子どものころから変化していません」と、またある人は「多くの経験を経て、成長しました」というでしょう。しかし、ほとんどの人が「すべて大きく変化しましたが、子どものころから何も変化していないこともあります」と答えます。例えば、『ハリーポッター』は全部で8本の映画がありますが、そのすべてにハリーがいます。ハリーは、すべてのストーリーで友情に厚く、真実を追求し、粘り強く運命に向き合います。ハリーのパーソナリティがストーリーの展開に大きな役割があります。

 サビカスのキャリア構成カウンセリングでは、各自があこがれのキャラクターから取り込んだ資質をパーソナリティに同化していると想定します。あこがれのパーソナリティは、それぞれの文化で生まれたヒーロー、ヒロイン、ロールモデルです。あこがれの人は、あなたの課題を解決することができます。あなたは憧れの特質を意図的に取り込み、成長の中でその特質をリハーサルして自分に取り込んできました。

 カウンセラーは、クライエントのパーソナリティの強みが生き生きと活動できるように表現する手伝いをします。

 

3回目講義 問「あなたは日ごろどのような興味関心を行動として示していますか」

この講義の要点は、クライエントの活動する人生舞台を設定することです。舞台には、舞台装置があります。また、舞台の上では、あなたの周辺にどのような人にいて欲しいでしょう。それらの人達とどんな活動をしているでしょうか、周りの人たちがどのような活動をしているのを好みますか。

 これらの好きな舞台や好きな環境や人物は、ホランド(Holand)の職業テストを受けて、その得点プロファイルから判断することができます。テストによって分かることが、面接で次の質問をすることで、行動としてどのような顕れ方をしているかを知ることができます。

「どのような TV 番組、雑誌記事などを見たり読んだりしていますか」と問うことで、現在、顕現している行動で興味ある職業活動を知ることができます。客観的なテスト得点は、理知的な判断を伴い、あるべき姿として語られることがあります。ところが、現在している行動は、率直にその人の適性を表しています。

現実的(realistic)な人は、物、道具や機械、動物などを対象として、明確で秩序ある活動が特徴です。機械、農業、電機、技術の分野で必要なコンピテンシーを発達させます。

研究的(investigative)な人は、実証的、抽象的、体系的および創造的な活動を好みます。説得的、社会的活動を好まない傾向もあります。科学的、実証的、抽象的、創造的な傾向があります。研究的な傾向を持つ人とは付き合う傾向がありますが、興味・信念・価値観が異なる人を避ける傾向があります。

 芸術的(artistic)タイプの人は、あいまいで、自由で、体系化されていない職業を好む傾向があります。オープンな考えを持ち、感情、アイデア、他人に対してオープンです。芸術的職業や場面(作家、インテリアデザイナーなど)に向いています。

社会的(social)タイプの人は、人を助けることを好む。教える能力や社会的スキルがる。他者を教えたり援助したりすることで喜びを感じる。他者に影

響を与えるようなこと、情報伝達、訓練や教育、治療や啓蒙活動などを好む。

企業的(Enterprise)タイプは、組織目標の達成や経済的な目標を達成するための交渉などを好む。リーダーシップ、対人関係、説得力を伴う活動に興味を示す。公の活動で影響を与えることを好み、身なりにも気を遣う。

慣習的(Conventional)タイプは、資料を系統的、秩序的、体系的に扱い仕事を好む。フィリング、ビジネス機器、データプロセシングを好む。ビジネスや経済的上の業績に価値を置く。体制順応的、秩序を重視する。書記的、数値的能力が高い。

 

それぞれのタイプは、日常の行動パターンとして顕現します。特に好むテレビ番組や好む情報(雑誌などの読み物)から行動パターンが読み取れます。

 

4回目講義 問「あなたが大切にしている格言や金言は何でしょうか」

クライエントにとって自分に与える最高のアドバイスは、自分を支える格言や金言です。 

この講義では、転機に直面している自分に与える最高のアドバイスは何かを探求する質問について学びます。誰にでも、子どものころから何回も自分に言い聞かせてきた言い回しや格言があるでしょう。格言は、自然治癒や、自然療法となってクライエントを今まで支えてきた言葉です。ところが、クライエントによっては以下の課題があるでしょう。

自分を支えてきた言葉とは、必ずしも自覚していない場合もある。どうしても見からない場合は、その場で考えてもらうことができる。格言などのようにきちんと表現されていない場合もある。文章になっている場合も、単なる単語である場合もある。格言の意味によっては、その人を制限していることもある。例「決してあきらめない」。あきらめないことで、柔軟な転換ができない。親やその他の人から与えられた格言の場合は、それがどのような意味があるかを質問します。

 

カウンセラーは、クライエントが好きな格言を繰り返し伝えることで、その意味を強化します。その理由は、クライエントの好きな格言は、クライエントを支えてきた資源だからです。

 

5回目講義 「現在、好きなストーリー、どこが好きですか」

 この講義での課題は、クライエントに映画、ドラマ、本などで好きなストーリーについて語ってもらいます。現在好きなストーリーは、クライエントの未来のストーリーを映すレンズです。 好きなストーリーは、未来の自己予言でもあります。ストーリーの例

「海辺での家」 。余命 4 カ月と宣告された父親が住んでいる海辺の家を建て直す 映画。離婚して元妻の下で育った 16 歳の息子がそれを手伝った。父の死の直 前にふたりは親子の絆を回復する。 

「山月記」。主人公は、才能があっても社会に認められることなく、傷つい てしまうことを怖れて、恥を感じないような野獣である虎に変身し人間の心を 失いつつあった。しかし、主人公の心には、人を思いやる気持ちが残ってい る。まわりの人への思いやりと社会貢献をしたいという思いがある。 

「精霊の守り人」命を助ける物語、信念をもって困難に対処する。何が善で何が悪かよくわからない世界で、自分が正しいと思うことを、意志を曲げずに つらぬく。 

 

主観的に生きる人間

キャリアカウンセリングは、主観的に生きている人間の内側に働きかける必要があります。人生とは、人生のさまざまな役割に意味を見いだすことです。ストーリーによるカウンセリングは、ライフテーマに光を当てて、クライアントがストーリーを語るにつれて、社会相互作用を通じて、そしてクライアントが自分たちの物語を話すにつれて、より現実になり、クライアントが自分自身について知っていることを具体化する(Savickas2011)できます。

 

6回目講義 問「幼児期のエピソードを3つ教えてください」

クライエントに幼児期(38 歳ごろ)の思い出(エピソード)について3つ話してもらいます。その後、その話が翌日新聞に掲載された場合の表題をつけてもらいます。あるいは、その思い出をスナップ写真にした場合にどの表題をつけますか、などと質問します。

幼児期の思い出について3つエピソードを話してもらいます。カウンセラーは、エピソードの話しに余りにも夢中になると、もっとエピソードの詳細が知りたくなります。注意してもらいたいのは、エピソードの詳細を語ることがこの質問の目的ではありません。知りたいことは、話したエピソードからどのような意味を汲み取ったです。それで、エピソードに表題をつけてもらいます。そして、表題を3つ並べて、その意味を考えてみます。

この3つの表題は、個人のライフテーマを象徴しています。ライフテーマは、子どものころから受苦している課題が基盤となって構成されている。だれにでも「同じ苦い思い何回も経験します」「この体験だけは繰り返したくない」などと幾度も枕を涙で濡らす経験があるだろう。このような受苦していることを乗り越え得て、成功体験に転換することが人生の課題である。

                 ライフテーマは、現在の自分にズレを感じ、混乱しているときに表面化します。自己をどのように構成してきたかを語りながら、忘れていたこと、取りこぼしていたこと、分離されていた経験に気が付くものです。自分の人生が一貫するまとまったものとして理解できると、人生やキャリアを未来に延長して理解することが可能になる。ライフテーマは、子どもころから何回も繰り返す似たようなライフイベントです。多くは、何もすることができなくて耐えるだけか、受動的に受け止めるだけです。ライフテーマは、そのような繰り返すイベントの意味を知り、その意味をポジティブ転換して意図に変えて、積極的に習得する課題に変化させることです。

ポジティブ転換したことが仕事になります。例えば、

恐れー>勇気ある仕事(消防士、警察官、自衛官など)孤独ー>人間関係の仕事(支援、人との関係)表現できないー>表現する仕事(役者、芸術活動)不自由ー>自由な仕事(企業家、自由業など)不器用ー>手を使う仕事(ものを制作や製造する仕事)

無知ー>知りたい(探求する仕事)

になります。詳細は講義で理解してください。ここでは、概要のみ伝えます。

 

7回目講義 ポジティブ転換

捉われの否定的な意味は、文字通りにある種の思い込みに捉われて人生に制限やマイナスの影響を与えることです。ところが、この捉われを修得する (master)、つまり自分のものにする、学んで乗り越える、使いこなす、などができるようになると、気になる事の視点をポジティブな意味に転換することができます。今まで、何度も繰り返し経験した「辛い、嫌な、無力さ」が何であるかを知ることで、自分のものにすることができます。受動的に苦しんでいたことを積極的に修得することで、苦しみを力に転換でるのです。いくつか例を挙げましょう。

例1 子どもの時に怖れていた「いわれのない攻撃」に対して怖がることから、勇気ももって対処するに転換。

例2 子どもころ閉じ込められた、厳しく行動を制限された嫌な経験から、制限されることから自由に行動できる行動力に転換する。

例3 いじめられて虐待されていた子どもから、努力して人生の勝利者になる。

これらの無意識に何もするすべがなく、ただ苦しむだけの経験を、あなたの

人生を意図的に、肯定的に変換することで、生きる糧にすることができます。

サビカス先生は、ポジティブ転換を「犠牲者から勝利者へ(from victim to victor)」と表現しています。

 

ポジティブ転換する目的

人生の意味を作文することで構成する。意図的に人生を生きる。ポジティブ転換することで、より幸せになり、より成功する。流動的な社会でも、十分に適応性を発揮する。自分、相手、社会にとってもポジティブな結果を生じる。仕事をすることが大切という意識を強める。

 

ポジティブ転換作業

ライフテーマの意味をポジティブ転換する作業を加える必要があります。

この作業は、経験の深いカウンセラーと共にすると効果が高いです。

参考のために一般的な実例を記載します。

実例1 「嫌なことから逃げること」。これをポジティブに転換すると「探求すること」に転換します。

実例2 「犠牲になること」。これをポジティブ転換すると、ないものを犠牲にすることはできないので、努力して何か特技を身に着ける。

実例3 「無言で耐えること」。これをポジティブ転換すると、表現力を身に着けて、人生の深みを言葉にして伝えるに転換する。

実例4 「惨い社会に復讐する」。惨いことが起きないように、社会の犠牲者を保護する、エンパワーするに転換する。

 

ライフポートレートで、あなたは幼少期から現在まで変わらないところはどこですか? 変わったところがあるとすると、それはどこでしょうか?

1. 自分の人生を意図的に生きるには、自分の人生を自分のものとして引き受ける勇気が必要です。自分の人生を引き受けるには、より明確に自分の人生を理解するほうが、引き受けることが可能になるでしょう。生きる意味は、山の登り口や山頂に達するためには、いろいろなルートあるので、どのルート選ぶかのような選択に幅があります。どの意図でも行先は、人生の完結です。

2. ここで、自分の人生を引き受けるという意味を考えてみましょう。フランクル(Viktor Emil Frankl1905-1997)は、どの人生も一回きりなので、同じ意志決定の瞬間はめぐってこないと言っています。今のこの瞬間にどのように生きるかは、自由に決められるとも言っています。

 

ライフテーマが自分の人生に与える影響を考える

 ライフテーマは、言葉にして意識化することが必要です。ライフテーマに名前を付けて、客観的に眺めてみましょう。ライフテーマを意識して、それと意図的に取り組みために、ライフテーマに適切なレベルを貼ります。このように課題を自分の外に出して客観的に観察してみましょう。

問1 「このライフテーマは、あなたの健康にどのような影響を与えますか?」

問2 「このライフテーマは、あなたの人間関係にどのような影響を与えますか?」

問3 「このライフテーマは、あなたの気持にどのような影響を与えますか?」

問4 「このライフテーマは、あなたの職業生活にどのような影響を与えますか?」

 

これらの問によって、ライフテーマが人生全般に与えている影響に気が付きます。

 

 

8回目講義 観客や証人の役割

 

 カウンセラーは、クライエントの人生の証人としての役割を果たします。承認としての役割は、まずクライエントの豊かなストーリーを聴くという役割を果します。

 次に、カウンセラーはクライエントの語るストーリーを語り直します。語り直しというと過ちを修正するという意味にとる人もいますが、この場合は、カウンセラーが自分の言葉で表現することを意味します。語り直しは、カウンセリングのスキルでは「言い換え」とかリフレクションと呼ばれている応答と同じスキルになります。この場合は、必ずしも言葉にしなくても、非言語的にうなずく、前のめりになり、共感するなどの身体表現も含まれます。

 カウンセラーは、決して押し付けるような説得口調で話しません。カウンセラーは、クライエントの語りに惹かれる気持や理由を簡単に語ります。これは、意見を述べることと違います。アドバイスしたり、判断を下したり、理論化することではありません。

 

カウンセラーは、クライエントを無能者、失敗者と判定する人ではありません。注意深く、クライエントの語りを聴く人になります。そして、人生における好ましい展開を証人する人であり、クライエントの好ましいストーリーが持続する貢献をする人になります。

 クライエントの語りは、自分の個人物語です。置かれている環境の中での語りです。クライエントの個人物語は、カウンセラーが聴くことで、回りの人には見えないストーリーが見えるものになります。

マイケル・ホワイトによると、カウンセラーがしてはいけないことは以下です。

1.道徳的な判断をすること。

2.他者の人生を文化的規範に照らして判断すること。

3.他者の人生を解釈して仮説を立てること。

4.介入すること。5.力や資源に焦点を当てること(語り手の経験に直接触れることがなく、客観的に語り手を評価することになる)。

6.祝福すること(判断にすることになる)

 

 

9回目講義 ライフポートレートの作成

 次にすることは、クライエント語りを自伝物語として構成する作業です。これまでにクライエントは、たくさんのエピソードを語りました。これらはマイクロストーリーと呼ばれて、それぞれが重要な意味のあるストーリーです。ところが、多くのマイクロストーリーは、お互いに関連性がなく、すべての語りに一貫する大きな意味が見えていません。一貫する自伝的な語りには、一貫する意味が含まれています。マクロストーリーになると、それぞれのマイクロストーリーが「自己の人生を語る」ストーリーとして統合されていきます。面接での語りを一貫するストーリーに編集することを「ライフポートレート」を構成するといいます。

 ライフポートレートは、A4版くらいの紙1枚にまとめあげられた簡潔で力強い伝記にまとめあげられます。

 このライフポートレートを作成する際に注意することがあります。

・プロット(筋立て)があること。ストーリーの流れに因果関係があるもの。

・整合性と一貫性がある。

・重要なテーマが強められている。・クライエントのキャラクターの展開が生き生きと描かれていること。

・ネガティブでなく、肯定的に表現されていること。

・価値判断や分析でなないこと。クライエントの言葉を骨組みにしている。

・簡潔であること。

 

ライフポートレートは、クライエントの語りと同じものであることが求めれられます。カウンセラーが勝手に解釈して作文したものではありません。クライエントの語りを簡潔にまとめた作文です。生き生きとしたストーリーで、クライエント強みが活動する、簡潔で、短い言葉と現在形の動詞が含まれています。動詞は、動く、進む、闘う、留まるなどと、パーソナリティの特徴を表現します。

ライフポートレートは、冒頭の質問でのクライエント現在の課題を解決できるものにします。クライエントのアイデンティティ、社会的役割の中の自己が主体的に行動する人として語ることができます。注意することは、主体的に行動する人間として描くこと。生き生きとしたテーマとキャラクターアークを強調すること。人生そのものに語らせる工夫をする。新しい視点があること。内的に一貫していること。ライフテーマが全体の文節を統合して、一つのまとまりのあるライフポートレートが作成できる。

人生の意味やテーマが浮き出すと、クライエントの人生に尊厳と価値が吹き込まれて、大きな力をクライエント人生に吹き込みます。内的な一貫性、初めから終わりまで似た言葉を使い、文をとぎれなく一貫してつながりにします。

 

 

10回目講義 ソシオダイナミックカウンセリング

 

バンス・ピービV. Peavey)は、彼のアプローチを「一緒に、仲間、そしてあるいは社会」という意味で〈ソシオ(socio)〉と呼び、部分間の美的な

バランス、連続的な変化及び動きを意味するギリシャ語の〈ダイナミコ

(dynamiko)〉を使ってソシオダイナミックアプローチ(SocioDynamic

Approach)と名付けました。〈ソシオダイナミック〉は、社会的存在として絶えず変化する人間を結晶化させます。「私たちの最善の状態は、全体的に美的で均衡がとれています。良い生き方は詩や踊りのようなアートの仕事です」(Peavy, 1997b, p.8)。

ソシオダイナミックなキャリアカウンセリングは社会構成主義的なカウンセリングアプロチです。次の述べる4つのテーマは社会構成主義的なアプローチのテーマです。

第1のテーマは、キャリアカウンセリングに共通する仕事の世界と個人の関係性に対する視点です。

第2のテーマに含まれるのは、カウンセリングプロセス内で起きる人間の相互作用の組み立て方によって、仕事との関係をより満足するものにできるという考え方です。

第3は、カウンセリングプロセスを協働で推進するために、クライエント

とカウンセラーが取るべきスタンスと役割について提言をしていることです。

第4は、最初の3つのテーマを支持するカウンセリングの組み立についてのヒントが詳細に論じられていることです。カウンセリングプロセスは、カウンセラーとクライエントが一緒に旅に出かけるようなものです。そのプロセスは、共通の土台を作ることと、「一緒にいる」と感じることから始まり、カウンセラーがここに存在すると感じることでクライエントが元気になり、対話へと進みます。この〈私だけの時間〉という感覚があると、クライエントは自分の個人的なストーリーを伝え、カウンセラーはクライエントの人生理解を促進する役割を果たします。カウンセリングプロセスは、計画すること、変革すること、実行することが可能である現実の創造、取るべき次のステップの決定に続き、そして「協働行動の達成」につながります(Peavy,2004, p.52)。これらの成果としては、新たな視点や新しい解決、選択肢の拡大、新たな考察とクリティカル思考、強化された自己アイデンティティ、明確な生活体験、プロジェクト構成能力の向上、再構成された人間関係、自分で作るサポート、自己対環境との交互作用の明確化などがあげられます。

一般的なソシオダイナミックカウンセリングは、戦略として、カウンセリングプロセスのフレームワークを提供します。それは、カウンセラーとクライエントの間の継続的で〈リフレクティブな対話型〉のフィードバックプロセスと理解できます。どのカウンセリングプロセスにおいても、カウンセラーとクライエントには「共同して使える資源」がいくつかあります(Peavy,

2004, p.52)。行動資源に含まれるものには、クライエントが試みた解決、経験していることに対するクライエントの内省、状況の制限と機会に関する知識、問題解決モデルなどがあります。

共同資源に基づいて、カウンセラーとクライエントは「共同の対話による合意形成プロセス」(Peavy, 2004, p.52)を開始します。この協働によって構成されるカウンセリングプロセスは、規範的なフェーズに従うのではなくて、新たに生まれてくるものです。このプロセスは、クライエントの過去と未来とを仲介する役割を担います。

 

対話的傾聴 

ソシオダイナミックアプローチでは、「対話的傾聴」(Peavy, 2004,

p.54)を通して、クライエントの話に対して真正の傾聴をすることを重視します。カウンセラーの傾聴スキルを高めることは、このアプローチにとって、カウンセリング手法の根本となるパラダイムに関連します。ピービは対話的傾聴を説明するために、その中核的な要素である〈心の平安〉と〈調和のとれた関係〉という概念を詳細に論じています。

 

 

内面的平安

内面的平安は、カウンセラーが純粋な態度でその場に存在してクライエントと対面している心の状態です。内面的平安は、受容的、静的、集中してい

て、尊重する態度で、忍耐強く、自己を空にし、自分の気分を認知してい

て、感謝する、ことを含んでいます(Peavy, 2004)。内面的平安は容易には実現できません。それは、意識的な練習を必要として、「精神的で心理的な状態」です。ピービは、内面的平安を促進するための 15 ページの目録を作成して中核となる要素を発表しました(Peavy, 2004, pp.55-70)。

 

真正に聴く

最初にカウンセラーは、関係を作るために聴き、関係が形成できた後でのみ、クライエントの問題を理解し発言することができます。問題解決への道筋は、注意深く聴くことによって、クライエントとの関係を作ることで、拓かれていきます。カウンセラーとクライエントとの間の良好な調和のとれた関係によって、カウンセラーは「内面的な冷静さ、集中力、ケア、責任」をもった「人間としての顔」を示すことができます(Peavy, 2004, p.72)。

 

対話的傾聴の実践

•           カウンセリングで難しいと思うことは何ですか?(a)カウンセラー

A5 分間話す、カウンセラーB が話を聴きます。その際、「無知の姿勢(Not Knowing)」によって、コメントせずに「言葉の背後にある意味」に気を配ります。(b)カウンセラーB はカウンセラーA に、どのように話を理解したかを伝え、それについてカウンセラーにコメントします。(c)カウンセラーの役割を交代します。そして(d)カウンセラーは各役割を通じてどうだったかについて話し合います。

ライフスペースマッピング

ソシオダイナミックカウンセリングの練習のための第2の基本概念は、ライフスペースです。ライフスペースは個人が生活している心理的そして社会的な空間の両方にあります。ライフスペースは、心の全体的な状態で、個人、社会、文化といった文脈の中での個人の存在ことでもあります。ピービ はこのようなカウンセリング経験を一般化するために、生活空間を4つの

意味論上の領域に分割しました。それらは、人間関係と親密性、仕事と学習、健康と身体、精神性(Peavy, 1997a, p.125)です。

ライフスペースマッピングの考え方は、クライエントの人生全体を可視化して、クライエントがその中で活動できるようにすることです。ソシオダイナミックカウンセラーは、描画、視覚化、様々な図表を主要なカウンセリングツールとして使います。グラフィックカウンセリングの方法には多くの形態とバリエーションがあり、カウンセラーはそれらを元にして、新たなものを創造することが奨励されています。ピービのライフスペースマッピングの使用方法(Peavy, 1997b で説明)では、用紙全体を現在のライフスペースと考えるようにクライエントに言います。まず、1枚の紙のどこかに「自己

self)」という小さな円を描くように指示します。次に、カウンセラーとクライエントが協力して、問題に関連していると思われていることで、クライエントの生活の中で起こっている全てを図の中に記入します。経験、出来事、関係者、関係、必要性、いろいろな声、可能性を、イメージや単語、色を使用してマッピングします。

 

 

11回目講義 ストーリーによるキャリアカウンセリング

 

アイデンティティは語りで構成されます(Savickas)。自伝語りでは、自分についての物語りを、社会、文脈の中での自己について語ります。いかに自己が変化したか、同時に同じであったかを語ります。自伝は、人生プロセスで起きたさまざまな変化に対する応答によって自分を構成するストーリーが語られます。アイデンティティは、選択と設計を自伝的語りに基礎を置いています。

内省するとは、問題からいったん外に出てながめて、人生に対する態度、価値観、考え方、複雑な役割の理解、他者との関係などを内省して改訂することです。自伝語りにより内省は次の3つのステップがあります。

1.ネガティブな台本からーーー>脱構成、あるいは本当の自己の生まれた意味に触れてーー>脱構成

2.自己の再構成

3.自己の共構成

物語アプローチプロセスは、動的な相互作用があります(Brott2017

年)。プロセスには、ストーリーを明らかにし(協働構成)、さまざまな視点からスペースを開く(脱構成)、

自分についての知識を次の章(再構成)へのガイドとする、および次の章

(構成)の作成がある。現場の職業を文脈に関連付け、学習し、楽しみ、働

き、価値付けして、人間関係を形成するという人生の役割のことである

Brott2005)。

 

12 回目講義 キャリアアダプタビリティ

キャリアアダプタビリティ資源は、次の4つの問で出来ています。

問1 「あなたは、あなたの未来にどんなこだわりを持っていますか?」

問2 「あなたは、自分の未来を自分自身の力で思い通りにできるでしょうか?」

問3 「あなたの未来が、どんな未来になるかと思うと、ワクワクしますか?」

問4 「あなたは、未来の人生をあなたらしく生きる自信がありますか?」キャリアアダプタビリティは次の4つの C から成り立ちます。

       concern(未来への関心)

       control(コントロール)

       curiosity(好奇心)

       confidence(自信)

これら4C を育てていくことは、不確実な現代を生きていく上で重要です。あなたの未来は、自分で予想したようになりそうですか?それとも、予想を超えるでしょうか。予想できない21世紀は、適切なキャリアアダプタビリティを自分のものにすることで、どんなに不安定な社会でも生き抜くことが可能になります。

 

C の注意事項

      キャリアアダプタビリティには個人差があります。人と比べて、高いとか、低いとかを気にする必要はありません。自分のキャリアアダプタビリティの特徴を理解することが大切です。低いところがあれば、その領域を伸ばす工夫をしてください。

      キャリアアダプタビリティは主観的なものです。点数化して評価するものではありません。高すぎると、固いアダプタビリティになる場合もあるので、質を検討してください。

      キャリアアダプタビリティは、年齢や役割によって変化します。

      キャリアアダプタビリティは、文化(国、国籍、人種、どこに住んでいるか、どんな組織に所属しているか、どんな教育を受けたか)によって影響を受けます。す工夫をしてください。

      キャリアアダプタビリティは主観的なものです。点数化して評価するものではありません。高すぎると、固いアダプタビリティになる場合もあるので、質を検討してください。

      キャリアアダプタビリティは、年齢や役割によって変化します。

 

      キャリアアダプタビリティは、文化(国、国籍、人種、どこに住んでいるか、どんな組織に所属しているか、どんな教育を受けたか)によって影響を受けます。